こんにちは、holloです。
今回はARC’TERYXの代表的なバックパックである「Mantis26」と「グランヴィル16」を比較する記事を書いていきたいと思います。
それぞれのレビューについては以前に記事を書いていますので、是非そちらもお読みください。
ARC’TERYXがリリースするバックパックの中でもおそらく最も認知度が高く、街中やSNSなどでも一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。同じブランドということもあり、似ている部分もありますが、詳しく見ていくと仕様や用途が全く異なることが分かってきます。
新しいバックパックを探している方、ARC’TERYXのバックパックを購入候補に入れている方は是非参考にしてみてください。
見た目の違い
まずは、見た目の違いから見ていきましょう。
ARC’TERYXの製品は一様に洗練され、ミニマルなデザインの印象が大きいと思います。マンティスとグランヴィルも例に漏れずシンプルなデザインをしていますが、並べて見ていくと実は結構多くの部分で異なっていることに気づきます。
まずは正面から。
どちらもロゴがあるのみですが、マンティスの方がサイドにボトルホルダーがついていたり、正面部分のポケットに奥行きがある分、バックを構成するパーツが多く、少しだけ装飾性が高いように見えます(それでも他のアウトドアブランドのバックパックと比べるとかなり装飾性は削がれています)。
また、2つを使ってみて気がついたのですが、ARC’TERYXのバックパックは少し特徴的な形をしています。それは下部分の幅が少し小さく、上に向かって少しずつ大きくなっていっている点です。
これはどちらのバックパックにも共通する形状のようで、この特徴的な形のおかげで重心が上に乗り、荷物を入れても重さを感じにくくしてくれます。実際に通勤で使うバックパックをBROSKI & SUPPLYの「HUB4」からグランヴィルに替えたところ、入っている荷物は変わっていないにも関わらず背負いやすく、軽く感じました。
次は横からの見た目を見ていきましょう。
まずはグランヴィル。横から見て初めてグランヴィルのミニマル性に気付きます。グランヴィルは表側にはジップ以外の部品は何もありません。強いて言えば、防水ジップの光沢のみが表面に於ける唯一の装飾性と言えるかもしれません。
お次はマンティス。マンティスの方は先にも書いたようにボトルホルダーや表側に配置されたサブポケットの凹凸、ジップなどが目立ちます。
最後にバックから。
この点も比較すると明確に違いがあることが分かります。グランヴィル(右)は背中に触れるパッド部分が平らなのに対し、マンティス(左)にはパッドに細い溝があることが見て分かります。これは登山などの際、カバンの中にある飲み物からストローのような管をこの溝に通して口元まで引っ張ってくるためのものです。
マンティスは街中での利用の他にハイキングや簡易登山などのアウトドアシーンでの利用も想定されているため、この仕様となっているようです。ついでに言うと、この溝を通して背中の群れを軽減する役目を果たすかというと「そんなことはない」というのが正直な感想ですので、街使いでの用途としては過度な期待は禁物です。
どちらのバックパックにも背中部分にプレートのようなものが形崩れ防止のために入っており、中に入れているものの形が背中に直接干渉してこないので、背負い心地を良くしてくれる役割も果たしています。
収納スペースについて
収納できる容量についてはそれぞれの名前にあるように、グランヴィルが16L、マンティスが26Lとなっています。ぱっと見ではどちらも大きさに違いがあるようには見えないので、2つのバックパックで10Lの差があるようには感じません。それぞれのバックパックで収納できるスペースは以下の通りです。
「グランヴィル」:メインスペース・上部ポケット・正面サイドポケット
「マンティス」:メインスペース・上部ポケット・正面サイドポケット
文字にしてみると搭載された収納スペースの作りはどちらも同じですが、それぞれを細かく見ていくと実は少しづつ違う部分があります。詳しく見ていきましょう。
①収納スペース:メインスペース
初めはバックパックの要であるメイン収納です。特段、バックパックとして変わったところはありませんが、開き方に違いがあります。マンティスはジップが下まで降ろすことができるので、ガバッと全体を開くことができます。一方グランヴィルはバッグの中央付近まででジップが止まるため、半分程度しか開くことができません。
多くの物を入れる場合、ガバッと開くマンティスの方が収納が簡単である反面、肩にかけたまま物を入れる時ジップが開きすぎてしまい、中の物がこぼれ出てしまう心配があります。
一方で半分までしか開かないグランヴィルは物がこぼれ出る心配はありませんが、多くの物を収納したい時、少し収納がしにくいというのも使っていて感じました。
マンティスの方が収納できる容量が大きいためこういった作りになっていて、完全防水を謳うグランヴィルの方はできるだけ、外部との接触を減らすための工夫なのだと思います。
どちらの収納スペースにもPC用のスリーブが搭載されているので、外で作業をするノマドワーカーにもおすすめです。このPCスリーブにもそれぞれの特徴が出ています。
グランヴィルのスリーブは2段に分かれていて、且つクッションがついています。マンティスの方はクッションはなく、仕切りが存在しているのみの作りです。
グランヴィルの方はスリーブがバッグの底に届かない作りになっているため、下からの衝撃が直接PCに伝わらないようになっています。しかし、その分PCを収納した時に、PCの1/3ほどがバッグ内で剥き出しの状態になるデメリットもあります。
マンティスの方はPC全面をスリーブが覆ってくれるので、表面の傷などがつきにくいメリットがありますが、クッション性がないので、PCそのものへの衝撃が防げないのがデメリットと言えると思います。
どちらも一長一短がありますが、筆者はこれまでどちらのバックパックにも裸のMacBookを収納してきましたが、使っていて不便に感じることはなかったです。
②収納スペース:上部ポケット
お次は2つのバックパックに搭載された使い勝手の良い上部ポケット。どちらのバックパックにもありますが少しだけ作りが異なります。何が違うのかというと、口の部分の開き具合。
マンティスの方はチャックの可動域がグランヴィルに比べて広く、ガバッとポケットを開くことができます。一方、グランヴィルの方はチャックが可動する範囲がバッグの上部のみとなっていて、マンティスほど大きくポケットを開くことができません。
この上部ポケットは浅めにできているため収納量こそあまり多くはないですが、ガバッと大きく開くことによって中に入れているものが一目で把握でき、背負ったままでのアクセスが非常にし易く使い勝手がとても良い収納スペースでした。
しかし、グランヴィルのこのスペースは可動域が狭いことで視認性が低くなり、且つ入れることができる物の大きさが限定されてしまい、この上部ポケットの使いやすさはマンティスの方に軍配が上がると思います。
③収納スペース:正面サイドポケット
収納スペース最後は正面から見てサイドにチャックがあるサイドポケットです。
正直この部分に関しては、私自身あまり積極的に活用しているスペースではありません。というのもメインスペースと上部ポケットで十分に収納スペースが足りているためです。そのため、この部分には普段あまり使わないものを収納し、開閉の回数をあまり多くないようにしていています。
ちなみに、ここサイドポケットに関してもグランヴィルとマンティスで違いがあります。
違いについてざっとまとめると以下の通りです。
- グランヴィル
- ポケット数:1
- メインスペースとのアクセス可能
- マンティス
- ポケット数:2(左右に1つずつ)
- メインスペースとのアクセス不可
- 左右のポケットはそれぞれ独立型(内部でのつながりなし)
同じような作りをしていますが、細かい部分で異なっています。前述した通り、グランヴィルとマンティスではマンティスの方が容量が多いのですが、このサイドポケット数がグランヴィル1に対して、マンティスが2となっているため容量に差がついているのだと思います。
より、多くの荷物を収納したい、入れる物を分類し収納スペースが多く欲しいという方はマンティスを選ぶ方が良いかもしれません。
スペックについて
最後に、2つのバックパックの数値上の違い等について見ていきたいと思います。
2つのバックパックの大きさについては以下の通りです。
- グランヴィル:幅:27cm × 高さ:50.5cm × マチ:13cm
- マンティス:幅:28cm × 高さ:47cm × マチ:14cm
2つのバックパックの大きさについての差はほぼありません。グランヴィルの方が少し縦長な印象ですね。
重さについてはこちら↓
- グランヴィル: 770g
- マンティス:865g
マンティスの方が100g弱重くなっています。ただ、この程度の重さであればあまり背負っていて差は感じないと思いますので、選ぶ際の基準としてこの重量を決め手とまではいかないかなというのが正直なところ。それでも、少しでも軽いバックパックが良い!という方はグランヴィルの方がおすすめです。
また、数値以外の違いを挙げると大きな違いは「防水かどうか」です。グランヴィルは防水仕様となっていて、ブルーシートのような水を弾く素材でできています。一方、マンティスは一般的なバックパックで使われているようなナイロン素材です。多少の水であれば侵入を防いでくれますが、ある程度水の量が増えると水の侵入を許してしまうので、バックパックに防水機能が欲しい人はグランヴィルを選んだ方がいいと思います。私のようにPCを持ち運びながら自転車で通勤をしている人はバックパックの防水機能は死活問題だと思いますので、グランヴィルをおすすめします。
素材が違うことにより、バッグの扱い方にも少し注意が必要かもしれません。マンティスは柔らかい素材を使っているため、擦れなどに強い一方、グランヴィルの方は少し硬めの素材のためか擦れや引っ掻きに弱く、表面に傷が残ることがあるようです。多少の傷であれば自己修復する皮製品とは違い、ついた傷はバッグ表面に白く残ってしまいます。実際に1ヶ月ほどグランヴィルを使ってみて、購入した当初よりも傷が増えたのかなと感じました。日常で使う分にはそこまで神経質になる必要はないと思いますが、少しだけ注意が必要かもしれません。
また、マンティスは逆に素材が柔らかいということでバッグのみでは自立しないという難点もあります。どこかに座った時など、マンティスを立てかけておこうとすると少し難しいかもしれませんのでその点は注意です。
終わりに
最後に2つの特徴をまとめると以下のようになります。
グランヴィル | マンティス | |
---|---|---|
内容量 | 16L | 26L |
ポケット数 | 3つ(メイン・上部・サイド) | 4つ(メイン・上部・サイド×2) |
大きさ | 27cm × 50.5cm × 13cm | 28cm × 47cm × 14cm |
重さ | 770g | 865g |
防水機能 | あり | なし |
気になる点 | 少し傷が目立ちやすい 自立しない | 型崩れしやすい 自立しない |
最も大きな違いは防水機能の有無かなと思いますので、この辺が選ぶ時の大きな分かれ道かもしれません。また、内容量はマンティスの方が上ですので、より多くの荷物を持ち運びたいという方はマンティスの方が良いかもしれません。
いずれにしろ、どちらもとてもおすすめできるバックパックですので、参考にしていただければ幸いです。
【グランヴィル】
【マンティス】
ここまでお読みいただきありがとうございました。次回の記事でもよろしくお願いします。
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